こんにちは、しゅうこです。
最近、お気に入りの曲があります。
米津玄師(敬称略)の「月を見ていた-Moongazing」という曲です。
この曲を原曲キーでエアロフォンで演奏したいと思ったのですが、非常に音域が広い曲でした。
音域が広くて、エアロフォンの通常のサックス運指では、原曲通りに演奏することができません。
そこで、今回は

どうにかして原曲キーで演奏することはできないか
と試行錯誤して、いくつか解決策を見つけたので紹介します。
個人的に操作しやすいのは、サムレバーでベンドして、「低いラ」を出す方法でした。
ぜひ最後まで読んでみてください。
エアロフォンの運指(サックス)と音域
エアロフォンは運指モードがいくつかあります。
私はサックス運指で使用しています。
サックスのほかに、リコーダー、電子吹奏楽器、トランペット、フルート、クラリネット、右手のみ、左手のみ、があります。


標準のサックス運指で出せる音域を図にしました。


ラ♯/シ♭から、3オクターブ目のファ#/ソ♭まで出すことができます。
図では省きましたが、音域内の半音もすべて運指で出すことができます。
さらにオクターブシフト機能があるので、オクターブを低くしたり高くしたりすることもできます。
「月を見ていた-Moongazing」の音域
「月を見ていた-Moongazing」の音域は、低いラから3オクターブ目のドまでです。



エアロフォンはオクターブを自在に変えられるから、オクターブを変えれば解決するよね?
それでは解決できなかったのが、「月を見ていた」の音域の広さです。
下の図のようにオクターブ変更して真ん中の「ラ」から始めると、通常の運指ではどうしても高音が出せません。





もう半音低い「ラ」が出せたらいいのになあ、、
解決法1ー1:バリトンサックス互換モード
エアロフォンのオクターブキーの設定を「サックス2」にすると、「低いラ」と、さらに半音下の「ソ#/ラ♭」まで出すことができます。



さすがエアロフォン!という以外に言葉がありません
オクターブキーは、4つの設定に切り替え可能です。
- サックス1:サックス互換モード。上のオクターブキーで+1オクターブのみ動作
- サックス2:バリトンサックス互換モード。上のオクターブキーで+1オクターブのみ動作、下のオクターブキーで最低音をLow Aまで広げる
- オクターブ2:上下2オクターブの切り替えが標準運指で可能
- オクターブ3:上下3オクターブの切り替えが標準運指で可能


解決法1-2:オクターブ2
オクターブキー設定を「オクターブ2」にすると、2オクターブ上まで出せるので、真ん中のラから始めても、高音域をオクターブキーで乗り切ることができます。
サイドキーを使って高いレ・ミ・ファを出すのに慣れている場合は、運指を変える練習が必要かもしれません。
解決法2:サムレバーでベンドする
解決法1のようにオクターブキーを使う方法は、手の大きさによってもやりやすさが変わります。
私の場合は、実際やってみると、左手に全く余裕がなくなり、小指や薬指がキーから外れたりしてうまくいきませんでした。



左手の親指が今にもつりそうです
そして思いついたのが、右親指でサムレバーを使ってベンドする方法です。
エアロフォンは、ベンドの幅を半音単位で設定(0~24)することができます。
「月を見ていた」では、「低いラ」の登場回数は3回だけで、どれも「シ→ラ→シ」の組み合わせです。
そこで、Bend Range controlを「2(全音)」に設定します。
「シ」の運指の状態でサムレバーを下に下げて、定位置に戻す「ベンドアップ」を使えば「シ→ラ→シ」が可能になります。





ただし、この方法はあくまでも「ベンド」なので、応用はあまりきかないかもしれません
解決法3:運指モードを変える
エアロフォンは様々な運指が選べると書きました。
「電子吹奏楽器(E-Wind)」モードは、サックス運指で出せない「低いラ」を出すことができます。


サックス運指とほぼ同じですが、ミ♭など若干運指が違うところがあるので、注意が必要です。
頻繁に「低いラ」がある場合は、E-Windモードは選択肢の一つになりそうです。
解決法4:楽譜を移調する
移調すれば「低いラ」を出す必要はないのですが、今回は原曲キーにこだわりたかったので、最終手段にしました。
原曲はEm(ホ短調・♯1個)なので、そこから上げて、前述したサックス運指の音域に収まるものを表にしました。
| 上げ幅 | 移調後の調(短調) | 平行調 | ♯/♭の数 |
|---|---|---|---|
| +半音(1) | Fm(ヘ短調) | A♭メジャー | ♭4 |
| +全音(2) | F♯m(嬰へ短調) | Aメジャー | ♯3 |
| +短3度(3) | Gm(ト短調) | B♭メジャー | ♭2 |
| +長3度(4) | G♯m(嬰ト短調) | Bメジャー | ♯5 |
| +完全4度(5) | Am(イ短調) | Cメジャー | 0 |
| +増4度/減5度(6) | B♭m(変ロ短調) | D♭メジャー | ♭5 |
移調後の楽譜が必要です。



曲の雰囲気は変わるかもしれませんが、Gm(ト短調)やAm(イ短調)が♯/♭が少なくて演奏しやすそうです
アコースティック・サックスで演奏する場合
テナーサックス(B♭)はF♯m(嬰へ短調)の楽譜で吹くと、実音Emで聞こえ、高音も出ます。
アルトサックス(E♭)はC#m(嬰ハ短調)の楽譜で吹くと、実音Emで聞こえますが、高音が出せないので、サビの部分を1オクターブ下げて演奏している楽譜が多いです。
まとめ
音域の広い曲「月を見ていた-Moongazing」を原曲キーのまま、エアロフォンで演奏する方法を考えてみました。
- 「低いラ」を出す
- オクターブキー(+2)で高音をカバーする
個人的には、今回の場合はサムレバーを使って「低いラ」を出す方法がやりやすかったです。
いろいろと応用がきくのは、バリトンサックス互換モードや、オクターブキー(+2)でしょうか。
今回はあえて原曲キーと音域にとことんこだわってみました。
なにか参考になればうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
以上、しゅうこでした。

