エアロフォンで低いラ(A)の音を出す4つの方法
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こんにちは、しゅうこです。
最近、お気に入りの曲があります。米津玄師さんの「月を見ていた-Moongazing」という曲です。
この曲を原曲キーのままエアロフォンで演奏したいと思ったのですが、実はとても音域が広い曲でした。エアロフォンの通常のサックス運指では、原曲どおりに演奏することができないのです。
どうにかして原曲キーで演奏できないかな?
そこで試行錯誤を重ねて、サックス運指では出せない「低いラ(A)」を出す方法をいくつか見つけたので紹介します。
この「低いラ」がどの音なのかは、次の章の音域の説明でくわしく書きますね。
この記事で紹介する4つの解決法の早見表です。詳しい手順は本文で解説します。
| 解決法 | ひとこと特徴 |
|---|---|
| 1 オクターブキー設定(サックス2/オクターブ2) | 音域が広がり応用がきく |
| 2 サムレバーでベンド | 半音単位で設定可能 |
| 3 E-Windモード | 「低いラ」が頻出する曲向き |
| 4 楽譜を移調 | 原曲キーにこだわらない場合の選択肢 |
個人的に操作しやすかったのは、オクターブキー設定のサックス2「バリトンサックス互換モード」でした。
同じように音域の広い曲に挑戦したい方の参考になればうれしいです。
それでは、目次から気になる方法をチェックしてみてください。
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目次
エアロフォンのサックス運指と音域
まずは前提として、サックス運指で出せる音域を確認しておきましょう。
エアロフォンには運指モードがいくつかあります。
サックスのほかに、リコーダー、電子吹奏楽器、トランペット、フルート、クラリネット、右手のみ、左手のみ、があります。
標準のサックス運指で出せる音域を図にしました。
ラ♯/シ♭から、3オクターブ目のファ♯/ソ♭まで出すことができます。
図では省きましたが、音域内の半音もすべて運指で出すことができます。さらにオクターブシフト機能があるので、オクターブを低くしたり高くしたりすることもできます。
ここで、いちばん低い音に注目してください。
サックス運指の最低音は「ラ♯/シ♭」です。その半音下にある「ラ」は、標準のサックス運指では出せません。
この出せない音のことを、この記事では「低いラ」と呼びます。楽器の世界では「Low A(ローエー)」と呼ばれることもある音です。
この半音の差が、このあとの話につながってきます。
「月を見ていた-Moongazing」の音域
では、演奏したい曲の音域はどうなっているのでしょうか。
「月を見ていた-Moongazing」の音域は、低いラから3オクターブ目のドまでです。
エアロフォンの音域と並べて、図にしてみました。
3段ありますので、順番に見ていきますね。
- 1段目 エアロフォンのサックス運指で出せる音域です。ものさしのように使います
- 2段目 「月を見ていた」の音域です。原曲のままの高さになります
- 3段目 曲を1オクターブ上げた場合の音域です
- 点線 同じ高さの音どうしをつないでいます
まず2段目を見てください。曲の最低音「ラ」に、赤い丸をつけました。
点線をたどって1段目を見ると、この高さに音がありません。曲の最低音だけが、エアロフォンの音域から半音はみ出しています。
逆に言えば、はみ出しているのはこの1音だけでした。あと半音、というところまで来ています。
エアロフォンはオクターブを自在に変えられるから、オクターブを変えれば解決するよね?
私も最初はそう考えました。「低いラ」の1オクターブ上にある「ラ」から始めれば、最低音の問題はなくなります。
この記事では、こちらを「真ん中のラ」と呼びます。数え方でいうと、2オクターブ目のラにあたります。
それを図にしたのが3段目です。
たしかに低いほうは収まりました。ところが今度は、高いほうの4音がはみ出してしまいます。図の右上に「標準運指では出せない」と書いた部分です。
低いほうに合わせると最低音が半音足りない。高いほうに合わせると高音が足りない。それが「月を見ていた」の音域の広さでした。
あと半音……。やっぱり「低いラ」が出せたらいいのになあ……
ここから、試行錯誤が始まりました。
解決法1 オクターブキーの設定を変える
最初の解決法は、オクターブキーの設定変更で音域そのものを広げる方法です。
オクターブキーは、4つの設定に切り替え可能です。
- サックス1:サックス互換モード。上のオクターブキーで+1オクターブのみ動作
- サックス2:バリトンサックス互換モード。上のオクターブキーで+1オクターブのみ動作、下のオクターブキーで最低音を「低いラ」まで広げる
- オクターブ2:上下2オクターブの切り替えが標準運指で可能
- オクターブ3:上下3オクターブの切り替えが標準運指で可能
まず、設定の変え方から書いておきますね。どの設定に変える場合も手順は同じです。
- MENUボタンを押す
- +ボタンを52回押して「オクターブ・キー」の画面を出す
- 設定を選んで確定する
+ボタンを52回というのは多く感じますが、押し続けていれば数秒で着きます。
サックス2 バリトンサックス互換モード
私が最終的に選んだのが、この設定でした。
オクターブキーの設定を「サックス2」にすると、「低いラ(A3)」と、さらに半音下の「ソ♯/ラ♭(G♯2/A♭3)」まで出すことができます。
さすがエアロフォン!という以外に言葉がありません
出し方は、左親指を使います。
サックス運指の最低音「ラ♯/シ♭」を押さえた状態で、サムレストの下側にあるオクターブキーを押すと、半音下がって「低いラ」になります。
下側のキーはさらにもう1つあって、そちらを使うと「ソ♯/ラ♭」まで下がります。
普段は上側のオクターブキーを使うことが多く、下側のオクターブキーは使い慣れていないので、練習が必要です。また、手の大きさや持ち方によってやりやすさが変わるかもしれません。
私は「シ→ラ→シ」の3回だけだったので、そのつど親指を動かす形で演奏しました。
気になるのは高いほうですが、こちらは心配ありませんでした。
「月を見ていた」の最高音は3オクターブ目のドです。サックス運指はファ♯/ソ♭まで出せますので、低いラから始めれば、いちばん高いところまでそのまま届きます。
オクターブ2 高音をオクターブキーでカバー
こちらは、「低いラ」を出すのではなく、使わずに済ませるという考え方の方法です。
オクターブキー設定を「オクターブ2」にすると、2オクターブ上まで出せます。真ん中のラから始めても、高音域をオクターブキーで乗り切ることができます。
先ほどの図の3段目で、はみ出していた高音の部分です。そこをサイドキーではなく、オクターブキーでカバーする形になります。
ただし、普段のサックス運指で、サイドキーを使って高いレ・ミ・ファを出すのに慣れている場合は、運指を変える練習が必要かもしれません。
\ 音域の広い曲にも応えてくれるAE-20 /
解決法2 サムレバーでベンドする
オクターブキーが押さえにくいと感じた方には、こちらの方法があります。
右親指でサムレバーを使ってベンドする方法です。
エアロフォンは、ベンドの幅を半音単位で設定(0〜24)することができます。
「月を見ていた」では、「低いラ」の登場回数は3回だけです。どれも「シ→ラ→シ」という動きで、あいだの「ラ」が「低いラ」にあたります。
そこで、Bend Range controlを「2(全音)」に設定します。
「シ」の運指の状態でサムレバーを下に下げて、定位置に戻す「ベンドアップ」を使えば「シ→ラ→シ」が可能になります。
ただし、この方法はあくまでも「ベンド」なので、応用はあまりきかないかもしれません。
解決法3 運指モードをE-Windに変える
運指モードそのものを変えるという選択肢もあります。
エアロフォンは様々な運指が選べると書きました。「電子吹奏楽器(E-Wind)」モードは、サックス運指で出せない「低いラ」を出すことができます。
運指モードの変え方は、オクターブキー設定と同じくMENUボタンからです。
サックス運指とほぼ同じですが、ミ♭など若干運指が違うところがあるので、注意が必要です。
頻繁に「低いラ」がある場合は、E-Windモードは選択肢の一つになりそうです。
解決法4 楽譜を移調する
最後は、曲のキーそのものを変えてしまう方法です。
移調すれば「低いラ」を出す必要はないのですが、今回は原曲キーにこだわりたかったので、最終手段にしました。
原曲はEm(ホ短調・♯1個)です。そこから上げて、前述したサックス運指の音域に収まるものを表にしました。
| 上げ幅 | 移調後の調(短調) | 平行調 | ♯/♭の数 |
|---|---|---|---|
| +半音(1) | Fm(ヘ短調) | A♭メジャー | ♭4 |
| +全音(2) | F♯m(嬰ヘ短調) | Aメジャー | ♯3 |
| +短3度(3) | Gm(ト短調) | B♭メジャー | ♭2 |
| +長3度(4) | G♯m(嬰ト短調) | Bメジャー | ♯5 |
| +完全4度(5) | Am(イ短調) | Cメジャー | 0 |
| +増4度/減5度(6) | B♭m(変ロ短調) | D♭メジャー | ♭5 |
この方法では、移調後の楽譜が必要です。
曲の雰囲気は変わるかもしれませんが、Gm(ト短調)やAm(イ短調)は♯/♭が少なくて演奏しやすそうです
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まとめ
音域の広い曲「月を見ていた-Moongazing」を原曲キーのまま、エアロフォンで演奏する方法を考えてみました。
4つの解決法を早見表にまとめます。
| 解決法 | 方法 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 1 オクターブキー設定 | サックス2にして「低いラ」を出す またはオクターブ2にして高音をカバーする |
音域そのものが広がるので、他の曲にも応用がきく | サックス2は手の大きさ、オクターブ2はサイドキーの慣れで、やりやすさが変わる |
| 2 サムレバー | Bend Rangeを「2(全音)」にしてベンドアップする | 半音単位で0〜24で設定できる | あくまでベンドなので応用はききにくい |
| 3 E-Wind | 運指モードを電子吹奏楽器に変える | 「低いラ」が頻出する曲の選択肢になる | ミ♭など一部サックス運指と違う |
| 4 移調 | サックス運指の音域に収まるキーに移調する | Gm・Amなら♯/♭が少なく演奏しやすい | 原曲キーではなくなる。移調後の楽譜が必要 |
ポイントは次の2つです。
- 「低いラ」を出す
- オクターブキー(+2)で高音をカバーする
私はバリトンサックス互換モードで演奏しました。今回はあえて原曲キーと音域にとことんこだわってみました。
なにか参考になればうれしいです。